「プリズンガール」を見てた。 | えんじぇるの言の葉。

「プリズンガール」を見てた。

有村 朋美
プリズン・ガール―アメリカ女子刑務所での22か月


↑原作本だそうです。


ある日突然、留学中のアメリカでFBIに逮捕され、刑務所に入れられた普通の女の子。
なんと実話だそうで。

大学受験に失敗し、なんとなくアパレル関係のお店で働いていた朋美(安倍なつみ)は、
アメリカにいる友人からの手紙で、自分も留学してみようと思ってみたり。

さて、お登りさん状態だった朋美も一年も経てば慣れて来て、
エリート商社マンの日本人の彼氏が出来て、帰国後に結婚しようと言われたのに、
イケメンのアメリカ人・アレックスと知り合い、帰国までの二ヶ月間をつきあうことに。

ところが、なんとアレックスはマフィアでした。。。

そして突然の逮捕。
郵便物の支払いにカードを貸しただけだったのに、実はその中身はドラッグで、
彼からもらったプレゼントは当然、犯罪の収益なわけで。
裁判の結果、朋美は懲役二年の実刑。

特別の配慮で朋美は一時帰国を果たし、ガンに犯された父親を見送った後、
彼女のプリズンガールとしての生活が始まります。

恐らく見せしめのための懲罰房で三日間を過ごした後、朋美は一般房に。
「お近づきの印」にお菓子をふるまったり、お金の無い人を助けたりしたものの、
それは「お金持ちの日本人」としての朋美が騙されているだけでした。

うちひしがれる朋美。
でも、そこで同じドラッグの事件で逮捕された韓国人キャティ(ユンソナ)と知り合い、
二人に友情が芽生えます。

30人も殺した凶悪犯。
元CIAのスパイだと言われている女。
刑務所内を牛耳るマフィア。

恐ろしさと理不尽なイジメに震える朋美でしたが、
やがて気がつきます。
「ここにいる囚人だって、大切な家族がいたりする普通の人間なんだ」ってことに。
彼女たちが犯した犯罪だって、それなりの理由があるんだってことに。
そして、自分が今までどれほど恵まれていたかってことに。

タイム・ゴーズ・ファースト。
朋美が同じ監房だった囚人に教えられた言葉。
「辛い刑務所生活を早く終らせるためには、夢中になれることを探そう。」
朋美はそこで、他の囚人たちにピアノを教え始めます。

夢中になれることがなくて、なんとなくアメリカに来た朋美は、
刑務所の中で「何かに夢中になること」の素晴らしさに気付くのです。

その矢先に訪れる不幸と事件。
ちょっと仲違いしていたけど、親友のキャティの減刑がなくなり、
得たと思っていたはずのアメリカ市民権は正式なものではなく、
出所後は韓国に強制送還されることに。
続けて、HIVに感染していたシモーン(?)が亡くなります。

「アメリカに来なければ良かった」というキャティに、
朋美は「でも、アメリカに来なければ、私はキャティに出会えなかった」と答えます。
(↑ここがめちゃ良いシーンでした(>_<))

ところが、ところが(>_<)。
二人とも出所を目前にしたある日、キャテイは悪いヤツに暴行されます。

トラブル=懲罰房=出所の延期。
そんなことわかってるけど、介抱せずにはいられなかった朋美。
だって、キャティは友達だから。

そんな朋美の優しさは、他の囚人たちのささくれだった気持ちを解きほぐします。
キャテイは一方的な被害者だとの証言のおかげで、
彼女はおとがめ無しになりました(←良かったv)

そして迎えた出所の日。
朋美は刑務所の中の雰囲気をわずかに変えたようでした。


えんじぇるはもちろん、日本の刑務所の中のことなんて想像もできませんが、
アメリカの刑務所のことなんて尚更さっぱりです。
撮影の話をちらっと聞いたところ、
半年前まで実際に使われていた刑務所で撮影されたそうです。
確かにリアルでした。

世の中には理不尽なことって結構多いですが、
その時にどう対処していくか、どう乗り越えて行くかは、
精神的なタフさが試されるところです。

肉体的に強ければ良いってものではなく、
精神的に強ければ良いってものでもなく、
まず、自分にとって大切な物や人を守っていく力が根元に必要ですよね。

出所後、日本に強制送還され、朋美さんはもう二度とアメリカには行けないそうですが、
そのおかげでキャティという親友に出会い、夢中になることの素晴らしさや、
どこに行っても生き抜けるタフさを見につけたことでしょう。

つくづく刑務所に入るようなことにならないようにしなければと実感する所ですが、
人生、どこに落とし穴があるかわからないもの。
気をつけねば、ですね(^^;。